リバイブと振動波

 これまでの局所振動刺激機器(いわゆるマッサージ器)は、振幅が1mmほどしかありません。そのため振動波は非常に小さく、身体内部へエネルギーを届けることが難しいのです。

 これまでの局所振動療法に関する報告は、いわゆるマッサージ器を使用したものがほとんどであり、受容器はパチニ小体およびルフィニ小体とされています。しかし、マッサージガン(リバイブ)の振動刺激は、筋紡錘や腱器官が受容器になっていると推察しています。そのため、当然のことながら、これまでの振動刺激とは異なる生体反応が認められます。

 振動波は、ある程度の直進性があるため、我々が扱う物理エネルギー(温熱、電気、牽引など)の中でも、扱いやすいと考えています。リバイブだと、極々短時間の刺激(5秒程度)で、筋緊張を促通/抑制することことが可能になるのです。筋収縮の立ち上がり時間(収縮しだしてから、ピークに到達するまでの時間)の変化もみられます。この反応を臨床応用すれば、問題となっている筋を特定することが可能になります。

 例えば、側臥位での肩関節外転可動域に制限がある場合、広背筋をリバイブ(5秒間レベル1)します。それで外転可動域が改善すれば、広背筋が制限要因になっていたことがわかります。広背筋は僧帽筋や大胸筋と非常に関係のある筋ですので、僧帽筋や大胸筋が過緊張になることで、肩甲骨が上前方に引かれて、その力と拮抗するために広背筋が作用した結果、問題を起こしていると考えることができます。もちろん、広背筋が問題を起こす要因は、まだまだたくさんあります。リバイブの面白いところは、自分の仮説を1つずつ確認していけることです。これは、極々短時間で反応がでることと、筋の促通/抑制の両方が行えるためです。このような物理療法機器は、他には知りません(^^)

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